【活動報告】退職金制度の抜本的改革に向け、労使協議を開始――「社外積立」で組合員の確実な資産形成を目指す
明治交通労働組合(執行委員長:佐野和洋)は、2026年10月16日付で、会社側に対し、現行の退職金制度から持続可能な新制度への移行に関する「労使協議(案)」を提示しました。
みなさんのご意見もお聞かせください。

退職金についての労使協議(案)
第 1 協議の趣旨・目的
現行の退職金制度を尊重しつつ、会社の内部管理による退職金の未払リスクを軽減し、組合員の財産保全と長期的な資産形成を図る。そのため、退職金原資の社外積立および給与からの積立方式について、労使共同で実現可能性を検討する。あわせて、福利厚生の充実による人材確保・定着、タクシー業界の社会的評価の向上を目指す。
第 2 現行制度の確認
(1)会社が退職金原資として月額 5,000 円を内部管理し、退職金支給額は原則「5,000 円×勤続月数」とする。 (2)退職理由による支給額の差は原則設けない。重大な非違行為等による例外的な取扱いは、現行規程・法令・裁判例に照らし、別途確認する。 (3)現行の積立は帳簿上の管理であり、組合員ごとの資金が会社財産から法的に分離・保全されているものではない。
第 3 制度移行の基本方針
(1)既存分の保全:制度移行基準日までの勤続月数に応じた退職金相当額を個別に確認し、現行規程に基づく会社の支払義務を維持する。移行を理由とする一括清算は原則求めず、支給条件の不利益変更を行わない。 (2)将来分の社外積立:基準日以降の月額 5,000 円について、営業収入・歩合給の算定とは切り離した「退職金手当(仮称)」として給与支給し、本人の同意に基づく積立に充当する方式を検討する。会社の既存負担を維持することを基本とする。 (3)組合員本人の財産化:掛金拠出後の契約上の権利を組合員本人に帰属させ、退職・転職・会社または組合の解散時にも可能な限り継続・受給できる制度を選定する。 (4)任意上乗せ:組合員が自己負担で掛金を増額できる仕組みを検討し、加入・増額・解約は本人の意思を尊重する。
第 4 検討対象制度
こくみん共済 coop の新団体年金共済等を有力な検討対象とし、企業型 DC、中小企業退職金共済制度その他の社外積立手段と比較する。なお、新団体年金共済は現時点で企業型 DC と同一ではなく、会社拠出の可否、税制上の取扱い、受給・解約条件について、共済本部等の正式回答を得る。
第 5 労使で確認・協議する事項
1 給与・税務:退職金手当の賃金該当性、所得税・住民税、社会保険料、割増賃金算定基礎等への影響を確認し、組合員の実質負担を試算する。 2 チェックオフ:賃金控除に関する適正な労使協定、個人別の加入・控除同意、掛金の照合・送金期
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限・未送金時の責任を定める。 3 中途退職・解約:現行退職金と比べた受給時期、解約返戻金、元本割れ、保障の有無を確認し、不利益が生じる場合の補償・代替措置を検討する。 4 制度の継続性:会社倒産・組合解散・転職・定年後再雇用時の契約継続と権利帰属、団体契約から個人契約への移行条件を確認する。 5 対象者の公平性:現行制度対象者、中退共加入者、再雇用者、定時制乗務員等の適用範囲を整理し、不合理な格差を避ける。 6 旧制度との区分:移行基準日、既存退職金債務の算定・通知・支払方法、新制度との二重計上防止、就業規則・退職金規程の整合を明文化する。
第 6 労使協議の進め方(案)
第 1 段階:組合執行部と会社による予備的な労使協議を実施し、会社の資金負担、現行債務、制度選択肢を整理する。 第 2 段階:こくみん共済 coop 等から書面による制度説明・試算を受け、社会保険労務士・税理士等の専門家を交えて法適正と実質的な損得を検証する。 第 3 段階:対象者・対象外者を含む組合員に説明し、意見と賛否を確認する。組合規約・内部手続に従い、必要に応じて正式な団体交渉に移行する。 第 4 段階:合意成立後、労働協約・賃金規程・退職金規程・控除関係書類を整備し、移行日と周知方法を定める。
第 7 当面の会社への要請
(1)制度検討期間中は、現行退職金制度を一方的に廃止・減額しないこと。 (2)対象者別の勤続月数・退職金相当額、退職給付債務の計上状況、原資管理の実態を労使で確認すること。 (3)外部積立の実現まで、退職金原資の管理状況を定期的に開示し、保全策を協議すること。会社名義の別口座管理のみでは倒産時の法的保全にならない点も確認する。
第 8 基本姿勢
本協議は退職金制度の単純な廃止を目的とするものではない。既存の権利を守りながら、将来分の確実な積立と組合員の資産形成を促進し、労使双方にとって持続可能な福利厚生制度を構築することを目的とする。※本書は労使協議のたたき台であり、制度変更・賃金控除・税務上の取扱いを確定するものではない。
2026 年 10 月 16 日
明治交通労働組合 執行委員長 佐野和洋

